鬼畜王子の飼育方法
志季が、私を好きだと言った。
本当に本当に、夢じゃないんだ。
「…バカだろ、お前。普通今頃気づくか…」
──ふわっ。
気づけば、目の前には志季の大きな胸板があって。
懐かしいぬくもりに包まれる。
「…もう、マジで……好き」
私の背中をギュッと抱きしめながら、志季は最後にもう一度呟いた。
「…私も、好きです」
「バーカ。知ってる。」
そう言って目を細めた彼の顔は、
多分、今まで見てきたどんな表情よりも綺麗で、かっこよくて、優しくて。
同時に、私の一番の宝物になったんだ──。