鬼畜王子の飼育方法
「どうする?このままバックレるか?」
「…うーん、」
──…志季と、もっとずっこうしていたい。
せっかく両想いになったんだから、もう少し幸せの余韻に浸りたいって思う。
────でも。
「バイト行きましょう!」
「あ。フラれた」
そりゃあ。
バイトなんかより、今は志季と居たいけど。
「…まぁ、お前ならそうゆうと思ってた」
「へ?」
「多分、俺も考えてること一緒だもん」
ニカッと白い歯を覗かせて、志季が笑う。
あんまり可愛いから、不覚にもときめいちゃったりして。
結構ヤラれてるなぁ、私。
「そうですよ。だってあの場所は……」
「俺たちの原点」
「…ですからね」
──そう。
全ての始まりは、
あの重いドアを開けた瞬間から。