鬼畜王子の飼育方法
「いらっしゃいませー」
志季の鋭い視線を背中に感じながら、私は得意の営業スマイルでテーブルに近づいてゆく。
そして、氷でかさ増ししたお冷グラスをテーブルの上に置いた瞬間だった。
「ねぇ龍ー、昨日なんで連絡くれなかったの?」
───ん?龍?
その言葉を聞いて、まさかと思って顔を上げると。
「ゲッ!」
思わず声に出してしまった。
間違いない。
コイツ─…愛梨の彼氏だ。
いつも部屋で乳繰りあってる愛梨の(しつこい)!