鬼畜王子の飼育方法
──クビ?
何言ッチャッテンノ、こノ人。
「新人。今のはお前も悪い」
「何でですか!だってアイツ…浮気してっ…」
「どんな理由にせよだ」
志季の低い声が、ピシャリと私の言葉を遮断する。
「今日は他に客がいなかったからいいものの…もしいたらどうする?迷惑極まりないんだよお前の行動は」
「……だって」
──龍が、悪いんじゃん。
「いいか?店にきた瞬間からお客様は神様なんだよ。私情を挟まれて勝手に暴れてもらっちゃ困る」
「……」
「さっきのは水をかけたアイツも悪いけどな。同じ職場の人間として、俺はお前を叱る義務があんだよ」
「……そんなの、」
仕方ないじゃん。
私は、何よりも妹を…愛梨を守りたかっただけなのに。