鬼畜王子の飼育方法
「初めて近くで見ちゃった!マジかっこ良すぎ!」
機嫌を取り戻した夏生が、興奮したように目を輝かせる。
どうやら、初めて至近距離で見た志季の姿に感動しているらしい。
「何あのスベスベな肌!少し着崩した腰のライン!」
「見てるとこおかしいから」
ったく…
どいつもこいつも変態ばっかりか!
「…見たでしょ夏生。あれが志季先輩の正体だよ」
「えー?」
「えー?じゃなくて!馬鹿だのアホだの散々浴びせられたの、聞いてたよね」
「ごめん。顔と体しか見てなかった」
──ダメだこりゃ。