鬼畜王子の飼育方法








「……それで、勘弁な」





へ?



ふいに志季の放った言葉に、ハッとして顔を上げると。



「…だからっ!」


志季は恥ずかしそうに顔を背けながら、乱暴に口を開いた。



「悪かった!っつってんだよ…。こないだのこと」



「…え」



こないだ、って…龍のこと、だよね?



「事情も知らずに怒鳴ったりして悪かった。…そんだけ」


「志季先輩……」


「あ、謝ったからな!根に持って藁人形とか作んじゃねぇぞ!」



そう言って、逃げるように席を立つ志季。








………その時。



気づいてしまったんだ。




< 58 / 294 >

この作品をシェア

pagetop