鬼畜王子の飼育方法



「おいおい志季、あんまりいじめるな。お前のスパルタで今月何人辞めたと思ってるんだよ」


「!?」


ふと店長が放った言葉を、私は聞き逃さなかった。



スパルタ…って。

マジですか?


おそるおそる、志季(もはや呼び捨て)の顔を盗み見る。



「やだなぁ、店長。いじめじゃないッスよ。調教です、調教」


どっちも同じじゃー!!


…とツッコミたくなるのを抑えて。



「あの…」


少しだけ遠慮がちに口を挟んだ。


「あ?」


「私このあと用事があって…。明日からじゃダメですか?」


「ちっ」



…え、なに今。

なんか舌打ちのような音が聞こえたような聞こえなかったような……。

でも、まさかね。

気のせい……





「使えねぇガキだな、おい」




……どうやら気のせいでは無かったようです。



< 6 / 294 >

この作品をシェア

pagetop