鬼畜王子の飼育方法
「えー!あのお兄さんお休みなんですかぁ?」
「はぁ…申し訳ありませんが」
…ったく。
この客で4人目だよ。
どいつもこいつも志季、志季って……。
──まぁ、見た目がかっこいいのは100歩譲って認めてあげるけどさ。
お客さんが目をつけるのも分からなくはない…けどさ。
「ご注文はお決まりですか?」
「あ、じゃあとりあえずウィンナーコーヒーで」
……ウィンナーコーヒー。
昨日の出来事が脳裏に蘇り、思わず胸がキュンと高鳴るのを感じた。
なに、この感覚。
「…あの、お姉さん?」
「あっ、すみません!ウィンナーコーヒーですね。かしこまりました」
……何やってるんだ私は。