鬼畜王子の飼育方法




「えー!あのお兄さんお休みなんですかぁ?」



「はぁ…申し訳ありませんが」




…ったく。

この客で4人目だよ。


どいつもこいつも志季、志季って……。



──まぁ、見た目がかっこいいのは100歩譲って認めてあげるけどさ。


お客さんが目をつけるのも分からなくはない…けどさ。



「ご注文はお決まりですか?」


「あ、じゃあとりあえずウィンナーコーヒーで」





……ウィンナーコーヒー。


昨日の出来事が脳裏に蘇り、思わず胸がキュンと高鳴るのを感じた。


なに、この感覚。




「…あの、お姉さん?」


「あっ、すみません!ウィンナーコーヒーですね。かしこまりました」





……何やってるんだ私は。



< 66 / 294 >

この作品をシェア

pagetop