鬼畜王子の飼育方法
「…すみません」
今すぐ殴りかかりたくなる衝動を抑えつつ、小さく頭を下げる。
せっかくここまで辿りつけたのに、やっぱり不採用、なんてことになれば今までの努力が水の泡だ。
ここはとにかく下でに出なければ。
「いいんだよ。今日から研修なんていくらなんでも急すぎるからね。明日なら平気かな?」
うわー…
店長さんが神様に見えてきたよ。
なんかキラキラしてるよ。
「はい!明日は学校があるけど…放課後なら」
「じゃあ明日の5時から研修ってことでよろしく。あと、おそらく察しはついてるだろうけど、指導はコイツね」
店長が、隣に立つ志季の背中をポンと叩く。
瞬間、志季の背後に蛇の影が見えたような気がしたけど、それは幻覚ということにしておこう。