鬼畜王子の飼育方法


「…すみません」


今すぐ殴りかかりたくなる衝動を抑えつつ、小さく頭を下げる。


せっかくここまで辿りつけたのに、やっぱり不採用、なんてことになれば今までの努力が水の泡だ。


ここはとにかく下でに出なければ。



「いいんだよ。今日から研修なんていくらなんでも急すぎるからね。明日なら平気かな?」



うわー…

店長さんが神様に見えてきたよ。

なんかキラキラしてるよ。



「はい!明日は学校があるけど…放課後なら」


「じゃあ明日の5時から研修ってことでよろしく。あと、おそらく察しはついてるだろうけど、指導はコイツね」



店長が、隣に立つ志季の背中をポンと叩く。


瞬間、志季の背後に蛇の影が見えたような気がしたけど、それは幻覚ということにしておこう。



< 7 / 294 >

この作品をシェア

pagetop