鬼畜王子の飼育方法
声にならない悲鳴を上げて、目の前の志季を睨みつける。
って、あれ?
志季……顔、赤いよ?
「志季先輩…?」
「ッ…なんだよ!」
「顔赤いですよ。熱でもあるんですか?」
私の言葉に、志季はわざとらしく咳払いをしながら視線を反らして言う。
「そ、そうだよ…今日は腹の調子がわりーんだよ」
「え!それは大変ですね」
「そうだよ大変なんだよ!」
「でも先輩。お腹痛くて熱が出るんですか?」
「……ッ俺のことはいいからさっさと仕事しろ!」
……何よ。
人がせっかく心配してやってんのに。
志季の恩知らずめ!!