鬼畜王子の飼育方法
「4番テーブル上がりね」
「は、はいっ」
日曜とあって、いつもは閑古鳥な店内も今日は満席。
そんなホールを、私と志季、それからパートのおばさんのたった3人で回す。
ただでさえ覚えることが多くていっぱいいっぱいなのに、頭がパンクしそうだ。
そして…。
ついに、やらかしてしまった。
──ガシャーン!!
まるでスローモーションのように、トレンチから落ちていったグラス。
そして、気づいた時にはけたたましい音を立てて、床の上に飛び散っていた。