鬼畜王子の飼育方法
今、何て言ったの…?
「ここは俺がやるから、お前は手洗ってこい」
「え、でも…」
「つか、邪魔」
ギロリと、志季が鋭い視線を投げかけてくる。
「う…。じゃあ、すみません」
…やっぱり、さっきの言葉は気のせい、だよね?
散らばった破片を黙々と片付け始める志季の背中に軽く頭を下げ、その場を後にした。
…変なの。
いつもの志季なら、まるで機関銃のように怒鳴り散らす癖に。
グラスを割ったことに対しては1ミリも触れなかった。
「…バカ志季」
調子狂うじゃんか…。
でも……
嬉しかった。