鬼畜王子の飼育方法
「じゃあ何だよ。何か文句があって来たのか?」
「そうじゃなくて…」
なんだか、またいつものドS志季に戻ったみたい。
昼間は優しかったから、私としたことが油断してたわ。
…いや、待てよ?
ひょっとしてこれは、志季なりの愛情表現だったりして!
いわゆる飴と鞭ってヤツですね。
「…つかお前、聞いてる?」
怪訝そうな顔で、志季が覗きこんでくる。
よし…。
志季がそのつもりなら私だって…
「酷いです…志季さん」
おとなしくていじらしい女の子を演じてやろうじゃん!
「はぁ?」
「志季さんは…志季さんは私が泥棒なんてする人間に見えるって言うんですか?」
「見える」
「…って即答かよ!少しは躊躇しようよ!」
……ハッ!
またいつもの癖でツッコンでしまった…。