それは、春の歌
泣きたかった。
何故、と泣き叫びたかった。
「……そう。リートがそこまで言うなら、わかったよ」
そう言って、見たこともないような、
怒りなのか、
悲しみなのか、
それすらもわからぬ表情で顔を歪めたアルディートが立ち去って尚、リートの心のざわめきは消えなかった。
むしろ、大きくなったぐらいだ。
無性に、誰かを責めたくて仕方なかった。
何故自分がそこまで言わなくてはならないのか。
何故彼は自分などに恋をしたのか。
何故自分は、彼に恋をしてしまったのか。