それは、春の歌
「私は貴方を……貴方の笑顔も、守りたい。たとえそれが、この国のためにならなくても」
「この国のためにならなくても?」
「貴方が望むなら、私は……いつでも、貴方のものです」
「それはボクが望むから? リートの気持ちは?」
それでは、不十分なのだ。
自分の言葉で彼女を動かしたいわけではない。
それでは、今までと変わらない。
そんなアルディートの焦燥を知ってか知らずか、彼女は少し体を離して、まっすぐにアルディートを見た。