秋明菊
そのスパイが言うには
彼が夜勤の時
私が奇抜な格好をして
外を出歩いていたらしい。

そんなのデタラメだった。

彼の性格を考えると
そんな事なんかしたら
間違いなく殴られる。

殴られるのは嫌だし
怒られるのだって嫌。

そんなのデタラメなのに
彼はスパイの言う事しか
信じないと言い張っていて
私の言葉と
真実は彼に少しも届かなかった。

彼女にスパイは
ちょっと信じられなかったけど
彼の怒りがハンパなかったから
きっと本当にスパイが
付けられていたんだと思う。

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