秋明菊

公園


彼の妄想は
妄想では終わらない妄想だった。
彼の妄想は
現実にあったように思い込み
そして怒りだす‥。

その妄想と怒りは全て私だった。

女友達とメールしていると
ちょくちょく鳴る私のケータイに
勘ぐってきていた。
彼は男とメールをしてると
思い込んでいた。

違うといってメールを
見せても信じてもらえなかった。

『メモリーの名前を
女の名前に変えれば
いくらでもメールできるしな!』

私は女友達とのメールを
自由にできなくなった。

彼が怒るから‥‥。

『それってオカシくない?』
女友達は、そう言っていた。

私も同感だったけど
彼を怒らせたくない。
別れを切り出されたくない一心で
『そんな事ないよ』
心と正反対の返事を
返してばかりいた。

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