秋明菊
保証会社だけで
数十万かかると言われたけど
私は彼と別れたくない一心で
契約を交わした。

保証会社と契約してから
スムーズに物件が決まり
それと同時に
私の貯金も大分貯まっていた。

『家なんだから‥真剣に考えなよ』
友達は心配してくれていた。

私は彼と一緒にいたい。

私は貯金を全額下ろして
不動産に渡した。

契約書に判を押すとき

彼を愛し続けて
彼に愛されて
幸せに暮らせるんだ‥

そう思って
私は書類の一枚一枚に
力強く判を押した。

幸せを掴むために。

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