秋明菊
『夜の友達とは全部切れよ』
彼は引っ越しをしたときに
私に言った。

今現在、夜に働いてる子。
元、夜で働いていた子。

‥‥‥‥‥‥全て。

せめて“元”だけは
許可してほしかったけど
彼は猛反対だった。

『元でも何でも夜は夜。』
私は彼に従った。

ケータイのメモリを開き
一件一件、友達のメモリを消した。

仲が良くて何でも相談できてた
元、夜の子を消すのに
胸が何度も痛んだ‥‥。

でも私は
彼を失うのが何よりも怖かった。

従うしかなかった。


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