秋明菊
友達のメモリを消しても
拒否はしていなかった。
だから、たまにメールが来ていた。

友達のケータイのメモリには
私の存在が、ちゃんとある。
なのに私のケータイのメモリには
友達の存在がなかった。


彼は嫉妬焼きだし
きっと私を心配してくれてる。

誰の声も聞けない私は
弱い自分との会話を
するようになっていた。


もう私は
彼以外は何も望まない。


私はケジメを付けるために
ケータイ番号と
アドレスを変えた。

これでケータイは鳴らない。
これで彼は私のケータイが
鳴っても不機嫌にならないハズ。


‥‥そぅ思っていた。


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