秋明菊
私は孤独だった。
彼以外の誰とも
会話しない日が続いて
自分がどうかなっちゃいそうで
怖かった。
彼が残業で遅くなる日は
孤独感がより一層
私を苦しめていた。
何をしていても流れる涙が
憎かった。
少しづつ壊れていく私を見ても
彼は何も言わなかった。
大丈夫?
その一言だけでもいい。
それが無理なら
優しく抱き締めてほしかった。
でもそれは
ただの私の願いで
叶うことはなかった。
『大丈夫だよっ元気っ』
家族には心配かけたくなくて
好きで彼と暮らしていた私は
必死に明るく振る舞った。