秋明菊

『ウゼーなっ!!さっきから
何泣いてんだよ!!』

え‥‥?

彼はガバッと起き上がり
さっきまでの居心地が
よかった場所が消えた。

私の幸せ涙は
ガラスのように割れて
砕け散ったようだった。

彼は泣いていた私を
心配してくれたわけでは
なかった。

ウザイ‥‥‥。

彼に初めて言われた言葉。

『お前ダルいな!!』

私はボロボロだった。

でも私は、なぜか謝った。

泣いた理由は聞かれなかった。

だから自分から話す事にした。

メールが冷たい事。
会話の反応が薄い事。
食事の挨拶の事‥‥。

キリがなかった。

溢れ出る涙の数だけ
私は寂しかった。

でも全てを正直に。
泣きすぎて話しにくくなっても
私は話続けた。

私の存在‥。
私がいる意味を
確認したかった。
教えてほしかったから‥。

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