秋明菊
全て話し終えると
彼は黙っていた。
話しているときも
彼は黙っていた。
静かに聞いていたよりも
無反応だった感じだった。
もぅダメなのかもしれない。
彼にとって私は
なんでもない存在なんだ。
むしろ存在してない。
仕事から帰ると
ご飯を作ってる。
掃除して洗濯してる人。
彼女って見られてないんだ‥。
私を見て何も思わなかったんだ‥
泣きすぎて腫れた目も
自虐して隠した傷も‥‥。
泣く私がウザイんだ。
たぶん私自体が
彼からするとウザイんだ‥
『別れよう』
彼は私が泣いたり
何か失敗をしたり
喧嘩をしたりすると必ず言う。
今回も同じだった。