秋明菊

私も彼とは
合わないんだと思っていたし
壊れていく自分を見て
惨めだった。

私の生活の全てが彼だった。
でも彼の生活に私は
一欠片しかなかったんだと思う。

嫌だった。苦しかった。
怖かった。寂しかった。


『‥安定期だと思う。』

頭の中が真っ暗になった私に
彼は手を差し伸べて
くれたような気がした‥。

安定期‥‥?

よくわからなかった。

私は今までの恋愛が
短かったせいもあったから
安定期を知らなかった。

彼が言うには恋は
ラブラブ期と
安定期と倦怠期があるらしい。

これは人それぞれで
いろんな形で周期があるらしい。

今の私と彼は倦怠期を終えて
安定期に入った所だって。

何も知らない私は
それを信じた。


安定期━━。

それを知っていれば
私は、こんなにも自分を
追い詰める事なかったと思った。


でも泣いててウザイは
いま思うと彼が言う
安定期じゃないと思う‥。


< 52 / 73 >

この作品をシェア

pagetop