秋明菊

優しさ


私の20歳の誕生日。

彼は自分の給料で
かなりの高額のヴィトンの
財布をプレゼントしてくれた。

『ずっと一緒にいるんだから
ずっと大切に使いなよ』

照れ臭そうに言う彼。


『お前が一緒にいないと
友達とは遊ばないよ』

いつも隣にいてくれた彼。

お弁当を持たせた時に
添える手紙を大事そうに
保管していてくれた彼。

凍えるような寒い日は
ずっと抱き締めてくれた彼。


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