【詩集】花*風
翼を広げて
【翼を広げて】
ご主人様に捕まえられてから
ずっと
籠の中に閉じ込められていた
逃げようと思えば
いつだってチャンスは
あったのに
逃げなかった
翔べなくなった訳ではない
羽を羽ばたかせる事を
忘れたは訳ではない
ただ、時を待っていただけ
命有る限り
未来は約束されているはずだから
厳重にかけられていた鍵は
漸く外された
もう
あなたの為に
唄わなくてもいいのね
新たな世界に飛び立っていいのね
長い間
広げる事のなかった翼を
おもいっきり羽ばたかせて
大空へと舞い去った