終わらない世界


「永原 陸くん‥後ろ、ゴミついてるよ。」


いきなり誰かにフルネームで呼ばれた。
友達のいない僕にとって、誰かに話し掛けられるのは驚きだった。
始めは、どうせ冷やかしだろうなと思った。
だけど違ったみたいだ。


「ねえ‥ゴミついてるって。」


僕が無視していたら、彼女は少し静かになり、そのゴミを取ってくれた。
「ありがとう。」と僕は言った。
そしたら。
「わたし逢坂 沙都里ってゆうの。よろしくね。」
って言ってきた。
僕は彼女の積極的さにほんの少し焦った。
こうゆう時は‥こちらこそよろしく。でいいのかな。


「こ‥こちらこそ、よろしく。」

すると、彼女は優しくにっこりと微笑んだ。
すごく綺麗な顔立ちで、髪は黒くつやがありショートカット、肌なんか真っ白で人形みたいだった。
どうやら目が悪いようで、眼鏡をかけていたがそれもまた似合っていた。


この高校でも美人と有名な彼女が、何故僕なんかについてたゴミを取ってくれたのか、不思議でならなかった。







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