嘘恋
三軒茶屋から渋谷方面に少し 戻る。

「10分くらいあるくぞ」

朋久は、タバコに火を点ける。

「タバコ、おいしい?」

「うーん。まあ、うまい時もマズイ時もあるよな。煙やだ?」

沙織も千恵も 別に 大丈夫だと答えたが、

「きっかけがないんだよな。止める…」

禁煙ブーム。

朋久も 禁煙を 考えたことはあるが、

実行には なかなか 移せない。

「あ。電話きた〜」

土地勘がないから 電話を 朋久に替わる。

「もしもし?つきました?うん、じゃあ改札出たら左側の出口から出てもらえる?俺達そこで待ってるから」

今度は 朋久の携帯が鳴る。

「おう。皆ついてんの?女の子たち今皆くるからもうつく」

数分後に 2人の女の子。
「オハーッ」

「学校ないから、ちょー久しぶりな感じだねー」

キャアキャア声に
朋久は、とりあえず 行こうか と…。

『たかだ』

中に入ると マスターの真が 一番奥な と 朋久に合図をした。

一番奥だけ 半個室のような空間にした。

設計は朋久。

「ヤホン」

「おーっ、主役さすが。女の子キターっ」


総勢8名。

全員が着席した。

朋久は 一応 『幹事』として

全員の飲み物をオーダーしていた。

お互いに チラチラと 顔を伺う。

飲みものが 届く。

「じゃあ、乾杯しますかー」

「なんかいえよ、笑」

一人の男が朋久に ツッコム。

「僕たちの出会いに…」

朋久は 仕方ないのか いつもの調子なのか。

「とりあえず、乾杯で〜〜」

全員が 朋久の乾杯で 勢いよく 飲みだした。
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