嘘恋
宴とうつつ
この 飲み会。

そもそも 朋久は カノジョ探しに来ていないわけだが。


朋久の隣には アキコがピッタリくっついて 離れない。

「浅野さんは、歌わないの?」

「音痴だから。笑」

たわいもない会話。

「アキコちゃん、歌ってよ!」

アキコは、朋久のビールジョッキを 朋久の手ごと 両側から 抑えると 半分くらい 飲み干す。

「おいおいおい…大丈夫かよ?」

朋久は、アキコの背中をたたく。

アキコはむせてしまい、少し ゲホゲホしている。
「さっきから、ビールのんで、タバコ吸って、…つまらなさそうだからさ」

「まったく。急性で逝くよ?」

ビールを頼む。

「おまえら飲む?」

4つ 生ビールを 注文した。

「プラス1!!」

アキコだ。

「プラス2!!!」

ミキ。

「プラス、日本酒!!!!」

千恵。

「じゃあ、生ビール」

沙織までもが。

朋久以外の男性陣は おおはしゃぎ。

「生7つと熱燗くださう」
「くださうってなんだよ。笑」

ドリンクが届くと改めて 乾杯。

「やっぱりこうじゃなきゃなー」

アキコは、バックからピアニッシモも取り出して 火を点ける。

「タバコもー?」

朋久は、アキコに 驚く。
まあ 今時 酒もタバコも早いとおもうけど。

「大丈夫、タバコはあたしだけだよ」

何が 大丈夫なのか、アキコは タバコを一服して ビールを 飲んだ。


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