嘘恋
少しすると、沙織の姿がない。

朋久は、トイレ行くわと 席を外した。

ロビーでタバコを吸っていると 沙織が 向こう側から 歩いてきた。

「顔、あかいよ」

朋久は、沙織のほっぺたを手の甲で 触れた。

「うーん。ビールはまずいなぁ…」

二人はロビーの椅子に座る。

「楽しい?」

「うーん、久しぶりに、夜中まで遊んでる。楽しいよ」

「俺も」

「嘘だ。遊びまくりでしょ?」

「いや、まじで。最近疲れやすくてさ。寝るの早いよ」

「彼女から電話あるしね」

沙織は 少し 意地悪を言った。

「まーな。…」

朋久は

「お前のこと、恵一がね狙ってんだけど。まぁ気づくよな。笑。で、俺も今回は頑張るので!!!」

「はぁ?意味不明なんですけど」

「今日、うちとまりなよ…。わかった?」

朋久は、先に 部屋にもどる。

沙織は、少し 時間を置いて 部屋に戻った。

「沙織、遅いよー」

千恵は 沙織に おいでおいでした。

「沙織さー、あたし帰り、ヒロキくんと帰る…かも…」

「うん。わかった。よ…」

「沙織は?」

「…さっき、浅野さんに、…」

「どしたん?」

「うち、泊まれよって…」

「まぢぃ?」

沙織と千恵は、離れた席で 相変わらず アキコにべったりされてる朋久をみて

「さすが。ちょっとの隙に、サオタンに声かけるなんて。なかなかやるな…」

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