嘘恋
沙織ちゃんか。
「俺は、ここの学生じゃないんだけどね。仕事で、下見にきたの」
トモヒサは2本目のタバコに火を点す。
「仕事?」
沙織の反応に また トモヒサは笑う。
こんなに若くて 教授ということもなさそうだし。
更に。
決定的に、頭が良さそうではない。
「また、どうせ馬鹿そうなのに講師じゃないだろーという疑わしげな眼差しだなー。アハハっ」
「そ、そんなこと思ってないです、よ…」
「あれ。見える?」
トモヒサの指さす方向に、白いバンが止まっていた。
「浅野建築?」
車のドアに、設計 施工、浅野建築 と 書かれていた。
「そ。ここの改修工事、今日は下見。怪しくないよ。アハハっ」
「怪しいなんて思ってないし、…」
「ここ、来るの?」
「本命、落ちれば」
「そっか。ま、だよな。ここが本命のわけないよな」
トモヒサは、立ち上がると 沙織に手を延ばした。
「歩ける?」
「歩けます」
バイバイ。
もう、会うことなどない バイバイ。
「もし、本命じゃなかったら。また、会うかもね」
「…いやなこと言わないで下さい…」
「だよな。ゴメンゴメン」
「いろいろ、ありがとうございました…じゃあ…」
「あ、うん。こっちこそゴメン、…じゃあ…」
二人はそれぞれの出口に向かって 歩みを進めた。
沙織は 校門へ。
トモヒサは 校門の外の車へ。
あと、数十メートル。
「うちどこ?」
「千葉…」
なんとなく東京で 千葉というのが 恥ずかしい。
「まぢでー?」
「なんでですか?」
「いや。偶然とゆうか、俺これから千葉の現場なんだよね…。乗ってく?」
なぜ、沙織は 断らなかったのだろう。
今日は、滑り止めに合格したし、帰りは久しぶりに渋谷で買い物をして、夜には、大好きな彼氏とデート。
の、はずが。
沙織は、助手席のドアを閉めた…。
「俺は、ここの学生じゃないんだけどね。仕事で、下見にきたの」
トモヒサは2本目のタバコに火を点す。
「仕事?」
沙織の反応に また トモヒサは笑う。
こんなに若くて 教授ということもなさそうだし。
更に。
決定的に、頭が良さそうではない。
「また、どうせ馬鹿そうなのに講師じゃないだろーという疑わしげな眼差しだなー。アハハっ」
「そ、そんなこと思ってないです、よ…」
「あれ。見える?」
トモヒサの指さす方向に、白いバンが止まっていた。
「浅野建築?」
車のドアに、設計 施工、浅野建築 と 書かれていた。
「そ。ここの改修工事、今日は下見。怪しくないよ。アハハっ」
「怪しいなんて思ってないし、…」
「ここ、来るの?」
「本命、落ちれば」
「そっか。ま、だよな。ここが本命のわけないよな」
トモヒサは、立ち上がると 沙織に手を延ばした。
「歩ける?」
「歩けます」
バイバイ。
もう、会うことなどない バイバイ。
「もし、本命じゃなかったら。また、会うかもね」
「…いやなこと言わないで下さい…」
「だよな。ゴメンゴメン」
「いろいろ、ありがとうございました…じゃあ…」
「あ、うん。こっちこそゴメン、…じゃあ…」
二人はそれぞれの出口に向かって 歩みを進めた。
沙織は 校門へ。
トモヒサは 校門の外の車へ。
あと、数十メートル。
「うちどこ?」
「千葉…」
なんとなく東京で 千葉というのが 恥ずかしい。
「まぢでー?」
「なんでですか?」
「いや。偶然とゆうか、俺これから千葉の現場なんだよね…。乗ってく?」
なぜ、沙織は 断らなかったのだろう。
今日は、滑り止めに合格したし、帰りは久しぶりに渋谷で買い物をして、夜には、大好きな彼氏とデート。
の、はずが。
沙織は、助手席のドアを閉めた…。