嘘恋
朋久は沙織を抱きしめる。

朋久の肩に 沙織の涙が こぼれ 伝う…

「ゴメン…ね…。ご…」

「お前が悪いんじゃないでしょ…。よしよし…」

「でも……、こんなだよ…」

「大丈夫だょ…」

優しくて 暖かい 朋久の腕の中。

声。

沙織の全てが 反応してしまう。


涙が止まらない。


朋久は、その夜 沙織に何度も、何度も

キスだけをした。


そして、抱きしめて眠りについた。



こうして

やっと

ひとつ目の問題が 一旦の 終了を迎えた。


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