アイノイロ



「やっぱり朝はコーヒーよね。」


そう呟いて少し苦めのコーヒーを飲む。


柳澤恵[ヤナギサワ メグミ]
今年で21歳になる会社員。


チラリと時計を見ればその時刻に目を見開く。



「な、なんで!?あと5分しかないじゃない…」



コンビニに着く予定時刻の5分前を指す時計の針に、なんだか少しイラっとしながら靴を履いてコンビニに向かう。





走れば3分で着く短い距離。


あたしの1日の中で最も幸せになれる、たった3分で着く素晴らしい場所。



だから、口元が緩んでしまうのは許してほしい。



一瞬でいいから、彼の瞳に映りたいあたしの小さな恋心。


高校生みたいな感情になってしまった、大人の自分を情けなく思いながらも…


止められない、好き。




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