アイノイロ




「よかった…間に合った。」


目の前にはコンビニの扉、腕時計を見れば8時2分前。


ルンルンとコンビニに入り、まずは自分のサンドイッチを選ぶ。

そして、振り返れば。



ウィーン…
「いらっしゃいませ!!」




やっぱり今日も8時ジャスト。
そして水のコーナーに行く。


その颯爽と歩く姿、
少し茶色みのかかった髪、
高い身長に黒いスーツ
切れ長の目に、茶色の瞳


そのすべてが、あまりにも格好よくて…あたしは息をも忘れてしまいそうになる。






あ、またやってしまった。

パッと目を彼から離して、目の前のパンコーナーに意識を集中させた。



あたしは、好きな人を見つめすぎてしまう癖がある。

変に思われたくなくて、今回は細心の注意をはらっているつもり。



もう一度だけ…


そう自分に呟いてちろりと彼を見れ…



あれ、もういない…?



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