アイノイロ




少しだけ背伸びをしてキョロキョロとするけれど、どこにもいない。


なぁんだ、もぅ行っちゃったのか…



「コホンッ」

咳が聞こえてきて振り向けば、睨んでくるおばさん。


あぁ、パンね。


「すみません。」


少しだけ無愛想に嫌みを込めて言った。


そして横に移動したら、ドンっと誰かにぶつかってしまった。


「あ、すみませ…ん」

「いや、僕こそ。」



目を見開いてしまう。
顔も一気に真っ赤になる。
心拍数も有り得ない位上がる。

彼の肩に、あたしの肩。


変態チックだけど…
今日は、とってもいい日だ。




すかさず名札があるか見れば、残念ながら着いてなくて…ぺこりとしてその場を去った。


すると彼は、そのままレジに向かい、颯爽と去っていった。



今日は珍しく、5分以上居たんだ…。




やっぱり今日は、いい日だっ





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