Lemon Drop
私は思わず見上げて聞いてしまった。



『気持ちいいですか〜?』


「・・・うん。寝れそう」



私の呼び掛けに答えたあと

日野先輩は驚くべきことを言った。



「来る?」



そう言って先輩は私に手を伸ばしてきた。



・・・え?え?
私も上にってこと・・・?



私はかなり迷ったけど

やっぱり上に行ってみたいという好奇心と


日野先輩の微笑んだ顔に負けて


先輩の手をとってしまった。




日野先輩の手って大きいんだなぁ・・・


その大きさと温もりに思わず顔が赤くなってしまった。




日野先輩の手を借りてやっと木の上に登ることが出来た。



『・・・あ、ありがとうございました!日野先輩。』



私がそう言うと先輩はちょっと嬉しそうだった。


私と先輩が座って、木に背中をもたれかけさせてると

風がふわりと吹いた。



日野先輩の髪は風になびいててそんな様子も

それはそれはかっこよかった。



『気持ちいいですね』



日野先輩は、こくんって頷いてくれた。



でももう、ウトウトしてるみたい。



顔が眠そうだもん〜



先輩、なんだか可愛いなぁ・・・
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