Lemon Drop
でも、そんな楽しい日々は突然終わりを告げることとなった。


「遠くに行くんだ。この海の向こう・・・」


少年は一緒に遊んでいた私に静かに言った。


私は思わず泣き出しそうになった。


『・・・っ』


「泣かないで、笑ってよ。ななかちゃんは笑った顔の方がかわいい」


私はその言葉に思わず俯いていた顔を上げた。


「僕はななかちゃんに会えて本当によかった。また、絶対に会えるから・・・」


「・・・だから僕を忘れないでね・・・」



私はその時初めていつも笑っていた少年の淋しそうな表情を見た。


それを見て、私はまた泣き出しそうになった。


だけど・・・笑顔の方がかわいいって言われたから


ニッコリ笑って私は答えた。
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