Lemon Drop
「・・・俺達って8才の時はまだ日本にいたよな?」


俺はゆっくりと話し出した。


「?・・・そうだけど?

それがどうしたの?」


愛はすごく不思議そうだ。


「この町に住んでたってコトはなんとなく覚えてるんだけど・・・」



俺は朝、七香の名前を聞いて頭の中に浮かんだ景色を思い出した。



「・・・近くに海ってあった?」



そう、頭に浮かんだのは海だったんだ。


別に普段の俺はこんなコト気にしたりしない。


・・・だけど今回は何故か思い出さなきゃいけないって思った。


たがら多少面倒だと思ったけど愛に聞いたんだ。



愛はちょっと呆れた顔をして、


「あったよー!もう!
忘れちゃったの−?」


「学校からちょっと離れた所に海あるんだよ?」


って言った。


「陽ちゃん、小さい頃よく1人で遊びに行ってたじゃん!」



私も行きたかったのにぃって愛はさらに言ってきて


少し怒っていた。



「そっか」


俺は短くそう言った。


「海がどうかしたの?」


愛はさっきよりも不思議そうにしてた。



「・・・別に」



そう言って俺はリビングをあとにして、自分の部屋に戻った。
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