Lemon Drop
3限目が終わると少し長い昼休みになる。


私はいつも昼休みはあの木に行く。


だってそのまま眠れるから・・・


さすがに昼休みに陽先輩に会ったことはない。


でも私はココに向かう度、胸が高鳴ってどうしようもない。



ま、昼休みはいないか〜



残念に思いながら木の方に歩いていく。



だけど・・・
そこには陽先輩が居た。




予想もしてなくて驚いた私はパッと目を反らしてしまった。



でも陽先輩は気にする様子もなく・・・


「七香も?」

って怪訝に聞いてきた。


陽先輩のこの言葉は、“七香も眠りに来たの?”ってこと。


『はい・・・というか昼休みはいつもここで過ごすんです』


『あ、でもお弁当食べてからはもちろん眠っちゃいますけど・・・』



好きな人にこういうコト言うのってなんだか恥ずかしい・・・



「ふーん」



相槌して陽先輩は木の上に登っていった。



登るのだって今日もカッコイイな・・・


その姿を見て私が木の陰に座ろうとすると


突然両脇に腕を入れられて木の上に登らされてしまった。



『よ、陽先輩〜?』
< 49 / 107 >

この作品をシェア

pagetop