Lemon Drop
『うん・・・どうしよう・・・』
「何年も前のコトだけど、七香その少年が忘れられないくらい
好きだったんでしょ?」
「そのキモチは
もういいの・・・?」
緑はそれだけ言って席に戻ってしまった。
私は何も言えなかった。
わかってる・・・コレは緑の優しさだって。
あとで私が悩まなくてすむように
自分でも知らず知らず目を背けていたコトを
突き付けてくれた。
・・・緑の背中が涙で滲む。
そうだ、私きっとあの少年のコトがすごく好きだったんだ・・・
きっと大好きだった。
もし、あの男の子がまた戻って来たら・・・
私はどうしたらいいんだろう?
覚えてるって約束守れてるかな・・・?
陽先輩とは一緒にいられなくなっちゃうの?
どうしよう・・・
そんなの嫌だよ・・・
私はその日ずっと考えていた。