Lemon Drop
でも・・・やっぱり・・・
・・・私はあの少年との約束もすごく大切なわけで・・・



・・・あの約束があったから今まで信じて笑ってこれた。


あの少年に会ったら陽先輩とは一緒にいられない?

私は少し冷静になって考えてみた。



・・・ううん、そんなことはないと思う。
だって、私は陽先輩が大好き・・・なんだから。


それでもこんなに戸惑うのは・・・やっぱり会いたいわけで。

・・・会いたいと言うよりお礼を言いたい。
あの時遊んでくれて笑顔をくれてありがとう・・・って。


そうか・・・私にとってあの少年は大切な人には変わりないけどもう思い出となってしまってる。


ただ会いたいのはしょうがない。だって大好きな友達なんだから!


私は約束を守れる。
大事なのは今のキモチ。

陽先輩へ向かうこのキモチ。


私はやっと少年へのキモチと陽先輩へのキモチを理解することが出来た。



考えてたらいつも制服のポケットに袋に入れて大事にしまっていたサクラ貝を

ポケットからだしてにぎりしめていた。



「七香?ソレなに?」



陽先輩はお弁当を食べる手を止めて私がにぎりしめている袋を見て言った。
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