Lemon Drop

-Side 陽-

今日の七香は明らかにいつもと違った。


七香はすぐに顔に出るからな･･･



『大切な人がくれた大切な物なんです。』

七香はある袋を大切そうににぎりしめていた。

俺は七香の言動に少し心が痛かった。


七香、大切な人がいるのか？俺は必要ない？

･･･一緒に居て迷惑？

色々思ったけど今はいつもと違う七香が心配だった。
俺は俺なりに何かあったのか聞いたけど七香は


『あ、はい、ちょっと･･･』


って答えた。

ちょっとって言うけど全然そんな顔をしてなかった。

切なそうなでも愛おしそうな顔。


誰に向けてんの？
･･･そんな顔。


俺は七香に何かあったら言ってって言ったけど･･･

そしたら今度は泣きそうな顔になってしまった。


その顔はあまりにも可愛くて俺は思わずおでこにキスしてしまった。


それ以上見ていられなくて俺は寝たふりをした。


･･･七香泣いてる？
誰を思って？
大切な人は誰･･･？


･･･俺はなんだか胸が痛くなってきた。


七香にも思い出してほしくて小さい頃の出会いは言ってなかったけど･･･


もう関係ないのか？

七香にとっては小さい頃の何でもない思い出なのか？