Lemon Drop
『やっぱりわかっちゃうか。緑には・・・』



「だって七香は自分より他人をいつも優先してるから・・・」



違うよ・・・それは緑のことだよ?

今だってホラ、私のために外に連れ出してくれた。


私はこれ以上陽先輩に近付いて自分が傷つきたくないだけなんだ・・・



『でもね・・・私、陽先輩の淋しそうな顔見たらついお弁当出しちゃったんだ・・・あは』



私の力無く笑う声を聞いても緑はずっと頷いててくれた。





しばらくして私はある決意をした。


『決めた!!私、ちゃんと諦められるように陽先輩から離れる!』


今私は泣きそうな顔をしてると思う。

コトバにするだけでこんなに胸が痛い。



「・・・いいの?諦めちゃって?」


緑は眉を下げて困ったような心配そうな顔をしていた。


『いいの』



私はそう言って、緑が何か言いたげなのを気付いてたけど、予鈴だよっ!って言って屋上を駆け出した。




・・・また泣き出してしまいそうだったから。
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