Lemon Drop
もう本当に困ってますって顔をしてる遼ちゃんに申し訳なくなりながら私は首を縦に何度も頷いた。



『陽先輩でも怒るんだね?』


いつもあんなにぼーっとしてたりすぐ寝ちゃう陽先輩が。

私は少し可笑しくて笑ってしまった。


「そうだな」

遼ちゃんも釣られて笑い出した。


−・・・

でも・・・だんだんキモチが沈んできた・・・


私、陽先輩に酷いコトしちゃったよ・・・

私が陽先輩の立場だったら・・・
陽先輩に無視されたり避けられたりしたら悲しい・・・辛い。

ううん、誰だって悲しいよ・・・


『遼ちゃん・・・私嫌われちゃったかな〜?』


視界が涙で歪んでいくのがわかる。


「わかんねぇけど、大丈夫だろ?きっと。」


遼ちゃんはどこか楽天的に言った。


『な、なんで?わかんないよ?』


「大丈夫。大丈夫。・・・まぁわかんないけど。」


遼ちゃんは意地悪そうにニヤリと笑って言った。


『う゛う゛〜!遼ちゃんの意地悪!』


もはや私の声は涙声でかなり格好悪かった。


「ごめん、ごめん。・・・でも頑張れな?・・・嫌われたかなんて本人に聞かないとわかんないんだからさ?」
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