Lemon Drop
緑に言われて思わず教室から出てきちゃったけど・・・


さっきチャイム鳴って授業始まっちゃったし・・・陽先輩いないよね・・・


どうしよう・・・


私はとりあえず木の所に行ってみることにした。


だってね・・・自然に足が向いちゃうんだもん。


なんか行くの久々かもなぁ・・・


−・・・

木が見えてきたところで私は思わず立ち止まってしまった。


陽先輩・・・いないよね・・・うん・・・


居てほしいような居てほしくないようなそんな気持ちで私は木の方へ再び歩き出した。


木の所に着くとやっぱり誰も居なかった。


『はぁ〜良かったぁ〜』


ホッとして思わず声に出してしまった。


昼休みに行くつもりだったけど・・・こ、心の準備がまだ出来てないんだもん!


「何が“良かったぁ〜”なの?」


急に後ろから声がして私はビクッと体が揺れてしまった。


え・・・陽先輩?


『ちょ、陽先輩・・・!』


私は陽先輩に腕を引っ張られて驚いたのもつかの間でいつかのように陽先輩の手で木の上に登らされてしまった。


・・・しかも抱っこの形で。
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