幼なじみ【完結】
何食わぬ顔で電話に出る桜井
バレてるなんて微塵も思ってないんだろうな…

「桜井、沙織のアドレス…誰にきいた?」

『え?結城さんのアドなんて知らないよ?どうかしたの?』

「sakurasaku‐v.v@××…お前のアドレスだよなぁ?」

『そうだよ?やだ、隼人くんアドレス消しちゃったの?』

「沙織のアドレス知らないって言ったよなぁ!沙織の携帯にこのアドレスから嫌がらせメールが入ってんのは、どう説明すんだよっ!?俺が好きで、俺が誰より沙織を選んだんだよっ!てめぇになんか口出しされたくねぇんだよっ!」

『あ…ごめん…な…さい…ただ…隼人くん…結城さ…』

「言い訳聞く気、ねぇから。二度と沙織にも俺にも近づくな」

『……ー』

泣いてるのが電話越しにも分かる

「沙織のアドレス、誰から聞いた?」

『た…拓真くん…』

「拓真!?」

『ゆ…結城さ…んは…拓真くん…と付き合うって…は…隼人くん…勘違い…して…~~』

泣きながらだから要領を得ない。
が、拓真が得意の妄想を暴走させたらしいことは分かる

「バイバイ。二度と顔も見たくねぇし、声も聞きたくねぇから」

返事も聞かず携帯を閉じた


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