何度でもなんどでも

「みなさん、こにゃにゃちわー。生徒会です」


あぁ、ヒロだ。。。


「お忙しいところごめんね。ちょっとだけ見せてもらうね」

そして陽太郎。



顔を見なくても分かる。



彼は……多分来てない。




「ミニ縁日。オッケー。準備間に合いそうか?」

なんて責任係としゃべっている。


私は大きくため息をついて作業をつづけていた。



「お!実桜。久しぶり」


隣にしゃがんだのはヒロ。


「ヒロ…花火のときなんか挨拶できなくてごめんね」


「いやいや。いいってことよ。オカンがまたミオちゃんに会いたいって言ってるぞ」


お母さん……。


「またいつでも来いよ」


「うん!ありがとう…」


そういって少し挙動不審なのがばれたのか、


「あいつ今日あっちの方だから」といってヒロが親指で理数科の校舎の方を指す。


「…うん。ありがとう」



「それじゃぁみなさん。当日までがんばってちょーだいねっ」

「がんばってね」


ヒロの後についた陽太郎が、


教室をでる間際に私に小さく手を振ってから出て行った。






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