何度でもなんどでも

「実桜、いつまで洗ってんだよ!」


かけられた元の言葉に意識が戻る。



「元、先行ってて。すぐ追いかけるから」


「早く来いよ?」


「うんっ」




私は急いで教室に戻りハケを片付け、自分のカバンを肩にかける。



窓から運動場のサクラが見える。



薄暗闇の中。



静かに立っている。




私は何か



違ってるんだろうか。



無理を、



しなければいけないのだろうか。




私は教室の電気を消して扉を閉めた。



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