何度でもなんどでも

「ごめん・・・」


私が嫌がったと思ったんだろう。


佑が小さくつぶやく。



「ううんっ。こっちこそごめん、なんか・・・」



言葉がつながらない。


今日髪をまとめてこなくてよかった。


落ちた髪の毛で私の顔の赤さを隠せるから。




「ミオ、傘貸そうか?」


久しぶりに聞く佑が私を呼ぶ声に鼓動を速くしながら


私は佑のほうを向いた。



彼は私に傘を差し出している。



ううん。



首を横に振ってから



「多分、すぐあがると思うから・・・」



「そっか」



「佑は・・・誰か待ってるの?」


「あ?あぁ・・・」



体の力が抜けていくようだ。


さっきまで顔に集まってた血液が一瞬にして心臓に戻っていくよう。


静かにドキンドキンと私の心臓が脈を送り出している。




落ち着いて、実桜。







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