何度でもなんどでも

でも、佑はそれ以上何もそのことについては言わない。



「ミオ・・・大人っぽくなったな」


「え?」


声がかすれる。


「ミスおめでとう。あと、昨日サンキューな」


ううん


首を横に振るだけで、声が出てこない。



佑。


佑。


佑・・・。




私、今でも今でもきっとこれからも


佑が大好き・・・。





だから、これ以上・・・





「ミオ・・・」




佑が何か言いかけた時に、



後ろのほうから女の子の声がした。

「あ、佑さん・・・」



私はようやくはっとする。




「佑、絶対幸せになってね!」



精一杯の強がり。


ううん、本当にそう思うから。



この先佑が誰を選んでも。



私は雨の中走り出した。




背中が焼けるように熱くて。


佑がいると思うだけで・・・。


こんなにこんなに好きだから。





佑。バイバイ。




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